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ビッグモーター不正請求問題「なにがダメだったのか」経緯を解説

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大手中古車販売会社ビッグモーターによる自動車保険の不正請求が、社会問題となっています。ビッグモーターによる不正が明るみに出てから、メディアでたびたび報道され、日を追うごとに様々な問題が発覚。

「叩けば叩くほどホコリが出る」といった状態です…。

不正会計問題に加え、企業風土や企業文化も問われ、社会からの信頼は大きく失墜しています。

この記事では、ビッグモーター不正請求問題について、「一体何がダメだったのか」現在までの経緯をまとめて解説します。

 

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ビッグモーター不正請求問題の問題点

問題点

今回、中古車販売大手のビッグモーターで起きた不正問題とは、自動車保険の不正請求です。しかも、一部の販売店でのみ行われていたわけではなく、全国のビッグモーターで組織的に行われていました。

ビッグモーターで行われていた不正請求の手口は、顧客から修理依頼があった際、依頼された顧客の自動車を、ビッグモーターの作業員が故意に傷つけることで、保険金請求額を水増し請求するというやり方です。

 

ビッグモーター作業員がした不正行為

ビッグモーターの作業員が、顧客の車に行った行為として報道された内容は以下です。

【発覚している不正行為】
・雹被害での修理依頼 ➡ 車体をゴルフボールで叩き傷の範囲を拡大
・ヘッドライトのカバーを故意に傷つける
・ドライバーで車体に故意に傷をつける
・塗装の品質を高品質と偽装する
・サンドペーパーで故意にこすり傷をつける

顧客との信頼関係が破綻する、かなり悪質な行為ですが、これにはビッグモーターの経営陣からの理不尽なノルマなど組織内のさまざまな問題が原因だったことが判明しています。

 

現場に課せられた厳しい要求

ビッグモーターの不正問題については、時間の経過とともに信じられない問題が多く発覚してきています。ビッグモーターの販売店で働く営業や修理を行う整備員など、現場で働く社員には厳しい要求が課せられていたことが分かっています。

【課せられた厳しい要求】
・修理費のノルマは14万円

事故などによる車の修理費用は、事故の程度によって変動するものです。当然、修理工場で修理費をコントロールはできません。修理費ノルマ14万は、はじめから達成不可能なノルマといえるでしょう。

ビッグモーターでは、修理費ノルマをアットと呼び、「車両修理工賃(作業代金)」+「交換パーツの粗利(販売代金ー仕入れ代金)」のことを指していました。

街路樹に除草剤を散布

除草

ビッグモーターでは、保険金の不正請求以外にも、店舗前の街路樹に故意に除草剤を散布するという行為も発覚しています。当初は店舗前の街路樹が不自然に枯れていることに関して、除草剤散布の行為を認めていませんでしたが、その後の調査で除草剤散布を認め関係各所へ謝罪しました。

全国各地にあるビッグモーター前の街路樹だけが、見事に枯れているのは流石に不自然過ぎますよね。

問題の指摘を受けて自社で調査した結果、過去に複数の店舗で、清掃活動の際に使った除草剤などの影響で枯れた可能性が高い

ビッグモーターは、公式ホームページで上記コメントを発表していますが、苦しい言い訳にしか聞こえません。原状回復に向けて手続きを進めるようですが、各自治体による損害賠償請求も今後発生する可能性が高いでしょう。

内部告発による自浄作用が機能しない

告発

企業には内部通報(内部告発)などにより、社員や会社の不正を正す機会が設けられている場合がほとんどです。これは、企業の自浄作用ともいえる大事な機能の一つ。

今回不正が発覚したビッグモーターにも、社内の不正に勇気を持って内部告発した社員がいたようです。しかし、十分な調査を行うこともなく「誇張されたもの」として一蹴しました。

これでは、心ある社員は失望してしまうでしょうね。

 

理不尽な人事査定が横行

降格

ビッグモーターでは、どうやら人事制度が機能していなかったようです。大手企業とは思えない人事評価が行われ、理不尽な降格が横行していたことがわかっています。

具体的には
・ノルマ未達成で降格
・女性社員に対し歩き方がなっていないという理由で降格
など

「歩き方」で降格…ほんとうに意味不明過ぎです。

社員の方々は、自身の生活がかかっていますから降格されないために、おかしいと気づいていても従うしかなかったのかもしれませんね。内部告発も意味がないなら尚更です。

 

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ビッグモーター不正問題「ダメな企業風土が原因」

ワンマン

ビッグモーターの今回の不正請求問題は、副社長を主体とした経営陣の、横暴ともいえる命令やノルマに従い、忖度する異常な企業風土によって起きました。

今回のビッグモーター不正請求問題を調査した第三者委員会も、報告書に「異常なノルマ設定の結果、社長の顔色しか見ないいびつな企業風土ができあがった」と記載しています。

お客様ありきのサービス業にも関わらず、自分たちの利益追求しかないのはありえないですね…。

 

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保険会社は見て見ぬふり「不正を黙認か」

ビッグモーターによる不正請求については、取引があった損害保険会社も気づいていた可能性があります。

ビッグモーターによる不正請求については、以下のことが判明しています。

・少なくとも1000件以上あり、損害保険各社に対して水増し請求や虚偽の事故を申告していた。
・不正請求は組織的で、店長や工場長などの幹部が関与していたことが特別調査委員会の報告書で明らかに。
・不正請求の原因として、保険金の目標数値を達成できなかった場合の罰金や、損保各社からのインセンティブなどが指摘されている。
報道によると、損保ジャパンからビッグモーターへ出向していた社員が、2011年から現在までに合計37人いたことがわかっています。損保ジャパンは「不正は見抜けなかった」とコメントしていますが、違和感はあったはずです。
その後の情報では、損保ジャパンは不正の可能性を認識して取引していた可能性が高いことがわかっています。

今回のビッグモーター不正請求問題は、保険料の不正請求に留まらず、街路樹に除草剤を散布するといった問題も発覚しました。これにより、金融庁や国土交通省といった省庁も動く事態となっています。

日本企業の中には、風通しが悪い古い企業風土のままの企業も多くあります。ビッグモーターは氷山の一角に過ぎないのかもしれませんね…。

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