ビッグモーターは、保険金不正請求問題が発覚し、世間で話題となりましたが、時間が経っても「叩けば叩くほどホコリが出る」といった状態です。
かつては、「自動車買取台数6年連続日本一」に輝いていたビッグモーターも、いまや風前の灯…。今回の不正問題で、顧客の信用を失い顧客離れが加速。嫌われすぎて再起不能の可能性が高まっています。
この記事では、ビッグモーターの現状や今後について紹介していきます。
新体制で始動も状況悪化止まらず
ビッグモーターは不正発覚直後に、創業者でもある兼重宏行前社長が謝罪会見を行いました。しかし、次々に問題が発覚し経営責任を取る形で兼重氏は辞任。
その後、親社長に就任したのが、和泉伸二氏です。
和泉氏は、創業者である前社長 兼重宏行氏と同じく山口県出身。地元の暴走族を辞めビッグモーターに入社、現場から叩き上げで上り詰めた人物。
誠実で実直な人柄で、現役社員からも「彼は男気がある人で、慕っている社員も多い。普段は口数が少ないですが、『わしらサラリーマンじゃけぇ辛いのぅ』なんてことも言う任侠映画に出てくる高倉健のような人です」と語られる人情派の人物のようです。
しかし、新体制発足後もビッグモーターには逆風が吹き続け、業績悪化が進行しています…。
新体制で業務改善した内容は?
和泉新社長は、就任直後に業務改善に乗り出しました。和泉社長指揮の元に行われた業務改善内容は以下の通り。
・職場LINEアカウントの削除・利用停止
・社内に広報部門設置
・2023年9月から営業時間短縮
ビッグモーター問題の概要
ここで、現在までに判明している問題を一覧にしました。
・保険金不正請求(損保ジャパンも共謀の可能性あり)
・不正整備のレクチャー動画(修理ノルマ達成のため)
・社内で繰り返されるパワハラ(理不尽な配置換え・降格)
・街路樹に除草剤散布(街路樹伐採も)
・保険架空契約
・点検せずに納車疑惑
・下請け会社への値下げ要求
・顧客のサインを勝手に代筆
・ローン審査資料の書き換え
ビッグモーター「泣きっ面に蜂」吹き荒れる逆風
和泉新社長の元、新体制で立て直しに奮闘しているビッグモーターですが、厳しい逆風に晒されています。
・国交省による事情聴取(7月26日)
・ビッグモーター店舗への国の抜き打ち立入り検査実施
・ビッグモーターと損保ジャパンの保険代理店の委託契約終了(8月3日)
・事業継続のため、90億円借り換え希望も銀行団から拒否(8月31日)
・内部通報体制について消費者庁が改善要請
・街路樹散布問題について、各自治体が損害賠償請求検討
・過去の保険金不正請求に関して全件調査実施
ビッグモーターは倒産の可能性が高い? 銀行団が「90億円借り換え」を拒否、在庫をオークションに出品する案も検討中か
事実上の“死刑宣告”だという。「ビッグモーター」社の90億円借り換え要請を銀行団が拒絶した。いよいよ同社「倒産」の二文字が現実味を帯びてきている。8/31(木) 5:56配信 デイリー新潮
顧客から厳しい声続出で現場社員も嘆くしかない
「電話をすれば“犯罪者集団!”と怒鳴られますよ」
「“まだ営業していたんですか”と本気で驚かれることも。“信頼を取り戻すために頑張っております”と返すと、“無理だと思いますよ”と嫌味を言われるんです」
ようやく話をするところまでこぎ着けても、
「“査定するなら、他社も一緒ならOK”と言われました。“こちらが見ていない時にゴルフボールで車体を傷つけられないかと心配で……”と言われて」
8/31(木) 5:56配信 デイリー新潮
身から出た錆とはいえ、これはツラい状況です。このような状況からか、カッとなって暴行事件を起こしてしまった社員も…。
中古車の買い取りをめぐり競合他社の社員を突き飛ばしたとして、京都府警は31日、中古車販売大手ビッグモーターの社員の男(29)=大阪府大東市=を暴行の疑いで現行犯逮捕。男は「相手のスマホをつかんだだけで、暴力は振るっていない」と容疑を否認しているという。
中古車の買い取り相談を受けて男は住宅を訪問したが、先に着いていた男性社員が商談を終えていた。その後も男が見積もりを取ろうとしたため、口論になった。男性社員がスマートフォンで撮影し始めたところ、男が突き飛ばしたという。
引用元:朝日新聞デジタル
現場の社員は、顧客と直接やり取りをしなければならず、逆風をもろに体感しているのでしょうね。とはいえ、暴力行為はいただけません…。
ビッグモーター再起不能濃厚で倒産危機
銀行団が90億円の借り換え拒否したことで、ビッグモーター倒産の可能性が高まっています。
「少々雲行きが怪しい会社でも、金利を高くして借り換えを認めるケースはある。しかしそれすら拒否したというのは、はっきり言えば“もう手を切ります”と決別宣言をしたに等しいのです」
なぜか。
「ひとつは、同社の業績が急降下していること。売り上げ大幅減と報じられ、銀行はビッグ社がもう立ち直れないと判断し、リスクを減らす方向に舵を切っている。また何より借り換えに応じることによって、ビッグ社に手を貸しているというイメージが付くことを非常に恐れていますね」
8/31(木) 5:56配信 デイリー新潮
ビッグモーターの倒産する可能性が高まった理由として、過去の事例に照らしてみると、「姉歯事件」が挙げられます。
2005年11月17日に国土交通省が、千葉県にある建築設計事務所の一級建築士「姉歯秀次」氏の構造計算書について、偽造を公表したことに端を発する「姉歯事件」。このとき、事件に関わっていた企業「ヒューザー」と「イーホームズ」のうち、上場企業だった「イーホームズ」は生き残り、非上場企業だった「ヒューザー」は倒産しました。
今回、保険金不正請求問題をはじめ、さまざな不祥事が発覚しているビッグモーターも、非上場企業です。銀行団が借り換えを拒否したことや、顧客離れによる急速な業績悪化により、ビッグモーター自力での再起は不能という可能性が非常に濃厚になっています。
ビッグモーターは従業員6000人の企業、このまま倒産となれば従業員は路頭に迷ってしまうことになります…、果たして再建は可能なのでしょうか。
ビッグモーター退職者「元管理職は絶望的」転職先がない
ビッグモーターは、このままいけば再起不能で倒産する可能性があります。ビッグモーターで働く人の中には、沈む船から脱出するために転職を考えている人もいるはずです。
「元ビッグモーター社員」と聞くだけで、拒否反応を起こす企業もあるかもしれません。ビッグモーターは組織ぐるみで不正を行っていたことが発覚しているため、退職した社員は、再就職先をみつけるのが厳しいのではないかといわれています。
しかし、その心配は杞憂の可能性が高いでしょう。
条件によっては問題なし
「元ビッグモーター社員」という肩書でも、条件によっては問題なく再就職できる可能性があります。では、その条件とはなんでしょうか。
・所属していた部門が修理部門以外
・管理職ではない
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